インドネシアの電力需要とLNG

今日味新深(No.64:2013/2/14)

 今回は経済成長期に入ったアジアの中からインドネシアのエネルギー問題とLNGの興味深い動きをご紹介いたします。

 インドネシアは約13,000の島々からなり、東西5,110km、北米を超える広さで、数百民族を擁し、経済成長に伴う都市部と地方の経済格差拡大が政治的課題として存在し、難しい運営を抱えている点は、中国の悩みと似ているところがあります。

 欧州通貨危機の影響は成長著しいアジア市場にも大きな影を落としつつありますが、それでも人口2億4千万人で成長期に入ったインドネシアの成長は著しいものがあります。
 特に電力需要は経済成長・国民生活水準の向上に伴い、年率6.7%で成長しており、今後10年はさらに年率約10%の成長へと高まることが予想されています。
 この発電燃料の基本は石炭とLNGに置かれており、主役は石炭とされているものの、LNGによる発電量は2020年まで年率約20%で成長する計画となっています。

 電力需要の急速な伸びは資源輸出国インドネシアのエネルギー資源輸出余力を圧迫するほどの規模で、これまで全て輸出用であったLNGは、今後は国内向けにかなりの量が供給されることになるとみられます。
 既にLNG受入基地が7か所、供給基地も5か所が稼働または建設、計画中にあります。

 ここで興味深い点は、天然ガスの国内供給をパイプラインで行うよりもLNGに転換して船による国内輸送が主体となる点です。
 ボンタンやドンギーなど東部海洋地域で採掘した天然ガスを現地でLNG 転換し、ジャワ・スマトラの消費地に運ぶ形となっています。

 地域経済格差是正のためにも、地方への電力還元は必須で、産地から都市部へのLNGの大きな物流に加えて、産地から地元・地方へのLNGの小さな物流も計画され、LNGプラント、LNG受入基地、LNGサテライト、海洋構造物、パイプラインなどLNG関連設備の整備が期待される地域です。