ベトナムの電力需要とLNG

今日味新深(No.75:2013/9/17)

 ベトナムは南北に約2,600kmの細長い国土で、首都ハノイのある北部とホーチミンを中心とする南部デルタの大都市地域間の交流を中部の山岳地域が閉ざす形となっています。南北を貫く国道一号線や鉄道などの交通インフラを整備するとともに、さらに中部地域の開発を進め、周辺国との高速道路の連結で南北東西の経済交流促進を図ろうとしています。

 ベトナムは従来、資源立国でしたが、現在は工業立国を志向しており、GDPは年率6%程度の堅調な経済成長を続け、人口構成、所得からみても成長期入りしたことが確認されます。近年の経済成長に伴いエネルギー需要が急増し、特に電力需要については年率14%と成長が著しく、今後の10年についても引き続き年率約13%の高い成長が続くことが予想されています。
 資源状況についてみると、北部に石炭、南部海洋部に天然ガス、石油を産出する資源国ですが、資源開発投資の遅れと電力需要の急速な高まりで、近々、石炭、ガス共に輸入国に転じることが予想されています。発電計画は、北部では季節変動の大きい水力発電を補う形で石炭火力発電を強化し、南部は天然ガス発電を中心に電力供給する計画です。

 現在操業されている南部沿岸の天然ガス田は規模が大きく、沖合からパイプラインで供給されていますが、徐々に枯渇しつつあり、さらに沖合での採掘を進めざるを得なくなっています。ガスの輸送については、既存のパイプラインに接続し供給する計画が有力です。また、不足する天然ガスは、西南部のガス田を共同開発しているマレーシアからパイプラインで輸入する一方、オーストラリアからのLNG輸入も計画されており、LNG受入基地の整備が進んでいます。
 ベトナムの天然ガス需要は、Business Monitor International(英)の予測によると、今後2015年までの成長率は年率約10%、その後2025年までは年率約9%の高い伸びが予想され、天然ガスビジネスが活発化するものと思われます。

 こうした状況から、ラインパイプ、LNG液化基地、受入基地、FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)等天然ガス周辺のサプライチェーン関連ビジネスが期待されます。現時点の予想では、天然ガスはパイプラインによる供給が中心になるとみられますが、LNG受入基地が整備されることで、沖合で採掘する天然ガスのLNG転換の可能性が高まることも考えられ、LNG関連の動向をウォッチしておくことが重要と思われます。