モンゴル森林再生プロジェクト

今日味新深(No.33:2011/07/22)

 弊社では、兵庫県および(財)ひょうご環境創造協会が実施しているモンゴル森林再生プロジェクトのサポートを行っている。モンゴル国では毎年森林火災が発生しており、特に1996~1997年(平成8~9年)にかけてロシア国境近くの北方林約500万haを焼失する大火災が発生した。この火災跡地の森林再生支援要請が、モンゴル国自然環境省(当時)から兵庫県に行われたことがきっかけとなり、1999年から森林再生プロジェクトが始まり、今日まで続いている。

 これは阪神・淡路大震災の際、いち早く救援活動を実施したモンゴル国への恩返しの意も込められている。このプロジェクトには、神戸製鋼もコベルコ環境創造基金を通じて間接的に支援を行っている。

モンゴル国は、内陸かつ高地という地勢であるため乾燥が激しく、気温も冬期は-40℃にもなり、森林再生のための植林を行う上で非常に厳しい自然環境である。このプロジェクトは当初、環境省のCDM1)に対する事前FS調査から始まった。

その後、専門家派遣による技術指導、技術フォーラムの開催等を行いながら、2003年から本格的な植林支援をカウンターパートのNGOを通じて開始し、これまで(2010年度末現在)の植林面積は1,630haに達している。自然環境の厳しい現地では、成木になるまでに日本の2倍、約100年かかるとの報告もあり、当初に植林した苗も8年でやっと人の背丈を超すまでに成長した。現在、このプロジェクトは、森林関係技術者の育成、地域住民啓発など人材育成・教育が重要との観点から軸足を植林から人材育成に移しつつあり、今後は現地主体での遂行に期待しているところである。

モンゴル国では、近年、良質な石炭やレアメタルが発見されるなど、鉱物資源に注目が集まっている。中ロを始め加豪などが進出し、日欧米も触手を伸ばしている。しかし、モンゴルは内陸開発途上国(LLDC:Land Locked Developing Countries)であり、これらの国の共通事情として港がない。故に移送網が未整備であり、輸送にはかなりのインフラ投資が必要となる。また通過国との関係も重要である。

近い将来、モンゴル国の豊富な鉱物資源が重要な資源となることは間違いないだろうが、一方で鉱山開発などに伴う自然破壊対策、森林保護・再生活動など、環境保護の重要性がよりいっそう増してくる。

弊社では、森林再生プロジェクトのカウンターパートNGO(政府、大学、科学アカデミー関係者などからなる)との連携、毎年の専門家派遣・植林地調査での現地同行など、サポートを行ってきた。これまで構築したネットワークを活かし、モンゴル国の発展や日本とモンゴル国との友好に少しでも寄与できればと考えている。


1)CDM(Clean Development Mechanism)クリーン開発メカニズム
先進国の資金や技術支援により、開発途上国(ホスト国)で温室効果ガスの排出削減などにつながる事業を実施し、その事業により生じる削減量の全部または一部に相当する量を先進国が排出枠として獲得し、先進国が削減目標の達成に利用することができる制度。