海洋開発産業立国に向けて本格始動した日本政府

今日味新深(No.79:2014/3/11)

 弊社では、海洋構造物に関わる市場や解決すべき課題に関する調査を長年行っています。この間、日本の海洋産業の遅れは年々顕著となり、官民一体で進める欧米、韓国、中国の後塵を拝する形となってきました。

 しかし、2013年4月26日に安倍内閣の下で新海洋基本計画(第二期計画)が閣議決定され、国家戦略として「海洋産業の振興と創出」の強い方針が打ち出されました。安倍内閣の3本目の矢の一つとして海洋資源開発を成長戦略に採用しています。またこれを受けて経済産業省が2013年12月に「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を改定しており、同計画では、海洋エネルギー・鉱物資源の開発の目標等を記載しています。

 海洋開発産業の産業振興としての主な柱は、洋上風力発電(2015年技術確立目標)を中心とする海洋発電(2030年20GW規模想定)、メタンハイドレート(10~15年後大規模商業化目標)、海底鉱物資源開発、国際競争力のある海洋資源産業の育成強化・人材育成、政府の積極的支援関与などとなっており、国を挙げての海洋産業振興の動きは、韓国や中国の動きも意識して、かなりダイナミックなものに変わってきています。

 今後、海洋産業・海洋インフラ整備は、従来の油田、ガス田の枯渇に伴い、大水深・極寒冷地などの採掘が困難な地域へ広がっていく(将来の生産比率:大水深40%、北極圏などの極寒冷地30%と予想)と見られることから、先進国、新興国を問わずビジネスがグローバル化すると共に、日本国内においてもエネルギーの多様化やリスク対応の観点、資源開発の観点からインフラ整備の需要が期待され、さらに韓国・中国企業との関わりも含めて海洋産業のビジネスチャンスが中長期的に拡大することが予想されます。

【主な韓国の動き】海洋産業立国志向

    • 海洋プラント受注額:2011年の257億ドルから2020年までに800億ドル に。
    • エンジニアリングや資機材などの国内遂行比率:2011年の40%から2020年までに60%に。

【主な中国の動き】海洋構造物製造業中長期発展計画(2012年2月9日)で位置づけ

    • 売上高:2015年までに2,000億元に、2020年までに4,000億元に。
    • 国際市場シェア:2015年までに20%に、2020年までに35%に。
    • 主要システムと設備の国産化率:2015年までに30%に、2020年までに50%に。

弊社は海洋開発産業など中長期的に魅力のある分野の動向把握にも努めていく予定です。