コンプライアンス違反とeラーニング

今日味新深(No.82:2014/7/16)

 近年、企業のコンプライアンス違反に対して社会から厳しい目が向けられています。近年の新聞等マスコミでも、銀行・流通・鉄道・化粧品などの業界での問題が大きく報道されていることはご存じのとおりです。こうした状況を鑑みれば、今やコンプライアンス違反が大きな経営リスクとなっていることは議論の余地はないと言ってよいと思われます。

 実際に、コンプライアンス違反が原因となって倒産する企業もあり、その件数は2013年度で209件に上るという調査結果があります(第10回:「コンプライアンス違反倒産」の動向調査、(株)帝国データバンク)。これは、「粉飾決算」や「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義し、かつ負債1億円以上、法的整理のみの件数ですので、1億円以下の件数も含めればさらに多いと考えられます。また業種別にみても建設業、サービス業、製造業、卸売業、運輸・通信業と多岐にわたっており、多くの業種においてそのリスクを認識しなければならないことを伺わせます。

 では、その対策はどうしたらよいのでしょうか? コンプライアンス違反とされるものは、非常に幅広く、例えば、社内規定違反、個人情報流出、知的財産権の侵害・違法コピー行為、環境汚染、製造物責任、営業秘密の不当取得、談合・不当な取引制限・その他独禁法違反、債務不履行、サービス残業、ハラスメントなどが含まれますので、社内のどの部署でも従業員にはそのリスクを認識して「気づき力」をアップしてもらわなければなりません。

 しかしながらそのための研修を全従業員に対して行うとすれば会社のコスト負担が大きく、また従業員にとっても忙しい中で受講時間を捻出するのは容易ではありません。
こうした問題を克服する一つの手段としてeラーニングが挙げられます。eラーニングであれば従業員が集合しなくてもパソコンを用いて自席で受講することが可能となり、受講率は上がります。しかし、これを実施する側の企業としては「eラーニングは本当に効果があるのか?」と疑問に思う場合もあることでしょう。

 これに関しては、何を持って「効果あり」と判定するのかにもよりますが、弊社で運営しているeラーニングサービスの受講満了者(約1,000名)を対象にアンケート調査をしたところ、受講後の確認テストが役に立つと回答した人が80%を超えていました。これによれば従業員の立場から一定の評価を得ていると考えられます。
 また期限までにテストを受けていない受講者には、eラーニングシステムからテスト受講を促すメールを送信する仕組みがあり、受講者のほぼ100%がテストを完了させていますので、リスクの周知徹底を目的とするような講座である場合には、有効と思われます。

 もちろん集合研修にも利点が多くあり、eラーニングが万能なわけではありませんが、上記のような調査結果があり、かつ全従業員を対象として受講実績の管理が可能なことや、集合研修に比較してコストが安くなる傾向にあることなどを勘案すれば、コンプライアンス違反のような大きな経営リスクへの対策としては一考の価値があるのではないでしょうか。

 このように周知徹底を図る必要のある事柄に対してeラーニングは有効な手段と考えられます。弊社では安全保障貿易管理、独占禁止法、企業秘密管理、個人情報保護、情報セキュリティなど様々な内容での実施実績があり、企画・コンサルティングから運営代行まで承っておりますので、ご相談を頂ければ幸いです。