次世代テレマティクスサービス

今日味新深(No.49:2012/5/29)

 21世紀初頭から日本のIT戦略として、e-japanやu-japanが推進されてきましたが、それに関する調査を行う機会があり、今回はテレマティクス (Telematics) についてご紹介致します。

 これはテレコミュニケーション(Telecommunication=通信)とインフォマティクス(Informatics=情報工学)から作られた造語で、移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称です。

 自動車などでは安全・安心機能の実現と情報配信による利便性の向上を2大目的とし、前者に属するものとしてエアバッグ連動の自動緊急通報機能や車両盗難時の追跡機能、後者に属するものとして、交通情報配信、電子メール、天気予報などがあります。

 またエネルギーとの関連に着目すると、電気自動車(EV)の時代に懸念される消費電力の問題を解決する手段の一つとしてテレマティクスが注目されます。例えばプラグインハイブリッド車(PHV)を一般家庭に導入すると、家庭で充電が必要になりますが、各家庭がお互いに協調せずにこれを行うと、系統電力の容量を超えてしまう可能性があります。そのためPHV、EVの充電による消費電力問題が普及促進の障害になる可能性が出てきます。

 そこでEV等と住宅、さらには街全体を含めて消費電力を管理しようという考え方が出てきました。具体的には、家庭におけるEV等への充電を夜間に行うことで昼間のピーク時の消費電力を抑え、平準化するなどといった街全体の消費電力を賢く調整し省エネを図るという考え方です。そのためにはEV等と家庭と電力会社との間で賢く情報を共有し、地域での電力消費状況や気象予測データに基づく太陽光発電等による自家発電状況、EV等の電力状況などを把握するITとエネルギーを連携した総合的なマネジメントシステムが必要になります。ここにテレマティクスが活用される可能性があります。

 さらにITとエネルギーが連携したマネジメントシステムは、工場のように数多くのエネルギー発生源および利用設備が分散しているところでも重要です。工場におけるエネルギーマネジメントシステムはFEMSと呼ばれ、エネルギーの見える化、電気・熱利用設備の需要予測を行い、発電設備や熱源などを効率的に運転するシステムです。

 これを活かして将来は工場の内部だけに止まらず、周辺の地域や近隣の工場ともエネルギーのやりとりが可能になり、地域エネルギーマネジメントシステムに発展することも予想され、新しいビジネスチャンスととらえることができます。