海外事業戦略調査におけるマクロ調査の事例紹介

今日味新深(No.63:2013/1/15)

 2008年のリーマンショック以降、世界経済は日米欧の先進国が低い成長を余儀なくされる中、中国やインドなど新興諸国はその影響をうけつつも依然高い成長を実現しています。この結果、2017年には先進国の世界に占めるGDPは50%を下回ると予想されています。新興国でも、とりわけ中国はGDPで世界2位になるなど世界経済に大きな影響を及ぼす経済規模に達しました。経済成長を実現した新興国では、インフラ投資の拡大とともに、個人所得の増大による消費も拡大してきており、企業活動やものづくりにも大きな変化が生じていますが、今後ますますこうした変化は加速していくものと考えられます。

 鉄鋼業においては、世界鉄鋼協会が発表した粗鋼生産のデータによれば、日米欧の生産量はリーマンショック後の2011年でも生産量は完全に回復していませんが、全世界では毎年確実に生産量は増加してきました。とりわけ中国は、2008年から毎年14.6%、9.4%、8.9%と増産してきました。加えて、環境問題対策や競争力強化に向けての企業統合も進み、世界40傑企業における中国企業のランクインは2010年に5社でしたが、2011年には18社となり、世界の鉄鋼サプライサイド構造が変動しています。

 自動車産業においても、現在世界主要自動車メーカー9社(トヨタ、日産ルノー、ホンダ、スズキ、GM、Ford、VW、Fiat、現代)の生産能力拡大計画は合わせて約1,300万台ですが、うち約700万台を中国が占め、インドと中南米が約150万台、東南アジアが約100万台(マークラインズ資料より神鋼リサーチ集計)と新興諸国に大きくシフトしてきています。

 このように世界の経済、産業、企業の動きに大きな構造変化が起こっている現状を踏まえ、マクロ面、ミクロ面の情報の重要性が増大しています。
 最近実施した海外動向調査の一例として、メキシコ中南米の鉄鋼需給情勢調査があります。メキシコは巨大市場米国に近くFTA締結も世界有数で労務費も低廉であることなどから海外進出先として有力視されており、日産やホンダの自動車工場の新設計画が発表されるなど動きが出ています。本調査では、鉄鋼の品種別の貿易構造、主要鉄鋼メーカーの生産設備や能力、自動車生産の拡大を背景に新日鐵住金やPOSCOの現地メッキ工場建設など動きがある等、日系以外も含めた自動車メーカー・部品メーカーの動向、米国工場をメキシコに移転する動き等を調査しました。

 弊社では、企業、業界の動き、マーケティングなどにも強みを広げ、素材から機械まで幅広く情報提供を行って参ります。