続・直流送電のはなし

今日味新深(No.5:2010/2/15)

 前回は直流送電のはなしを掲載しましたが,今回は需要側のシステムに直流で電力を供給する直流給電の技術動向を紹介します。

 自動車ではバッテリーを中心にした直流システムが採用されていることはご存知のとおりですが,直流システムが住宅やビル単位で採用される動きがあります。

家庭内やオフィスで使用する電気製品の多くが,パソコンや液晶ディスプレイ等の電子機器,インバータを用いた省エネ型のエアコンや冷蔵庫など,直流に変換して動作する機器が増えたこと,さらに,今後は太陽光発電や燃料電池などの直流の分散電源やLED照明が普及し,プラグインハイブリッド車や電気自動車など,大容量の二次電池が家庭の電源系統に接続されることが予想され,従来の家庭内の給電系統を交流で行う意味が薄れつつあります。

また,50Hzまたは60Hzの交流から直流に,電池等の直流から交流に変換する際の機器コストが高く損失も大きいことも背景にあります。

直流給電のシステムは,電話や交換機などの通信機器の分野ですでに蓄積された技術があり,最近では無停電電源を備えた大規模なデータセンターなどで,電源系統の信頼性を高め,消費電力を10~20%低減するために導入されはじめました。住宅用途でも,シャープ株式会社がDCエコハウスのデモを行うなどの動きがあります。

直流給電をめぐっては,すでに欧州を中心に国際規格の議論が始まっており,規格が決定されれば意外と急速に普及する可能性があります。