中国環境問題への日中協力

今日味新深(No.35:2011/08/31)

 2011年7月上旬、近籐環境副大臣が中国訪問し、環境問題や気候変動問題等について中国政府要人らと意見交換を行いました。

 その席で、中国側は今後5年間を視野に、5つの環境分野、すなわち、①黄砂を含む大気汚染や水質汚染、②生物多様性の保全、③廃棄物の輸出入(e-waste)、④重金属及びPOPs(残留性有機汚染物質)汚染、⑤災害に伴う環境汚染、に関して日中間の協力を要請しました。近籐環境副大臣はこれらの課題について協力していくことを表明しました。

また、日中双方は気候変動への取り組みや土壌の重金属汚染対策に関する日中間の協力を具体化に進展させていくことで一致しました。
土壌の重金属汚染対策に関する日中間協力の具体化については、環境省と中国の発展改革委員会との間で早くから連携をとり、日中間で管理経験や関連技術に関する交流を目的とした「土壌の重金属汚染対策に関する日中セミナー」を今年9月26日と27日に湖南省の長沙市で開催することを決定しました。参加者規模は100名を想定し、日本からは環境省、研究機関、土壌処理などの関連企業の参加を予定しています。
神鋼リサーチは日本側の交流実施機関として、セミナーの開催や土壌の重金属汚染対策の日中交流支援業務に関わることとなります。

中国では急速な経済発展によって重金属汚染が急激に拡大しており深刻な状況にあります。汚染は全土に拡大していますが、中でも湖南省は各種金属の鉱山が多く採掘や精錬が盛んであったことから、とりわけ湘江流域を中心に汚染状況が厳しいといわれています。

中国が2011年3月に決定した「国民経済と社会発展第12次5カ年計画綱要」(以下「第12次5カ年計画」という)では、土壌中の重金属汚染対策を重点的に講じるという積極的な取り組みが示されています。「第12次5カ年計画」において、重金属汚染対策と修復モデル事業を展開するとされた湘江流域を抱える湖南省では、『湘江流域重金属汚染対策実施計画』を作成し、2011年3月に中国国内で初めての重金属汚染対策モデル計画として国務院の承認を受けました。この計画では鉛、水銀、クロム、カドミウム、ヒ素等の重金属の排出総量を2008年ベースから70%程度削減するとしています。

また、2011年から2015年までの期間に総額595億元を投資して927のプロジェクトを実施するとし、重点地区として7地区が指定されています。
中国政府は今後重金属汚染対策と修復モデル事業を展開していく中、日本の重金属汚染対策や重金属汚染物質排出の削減、処理技術、土壌修復などの日中間の合作協力を大いに期待しています。

当社は今回のセミナー事業などを活用して、土壌・重金属汚染対策分野における日中間の環境ビジネス推進に、さらには中国の環境関連の法規などに関して常に最新の動向を把握するように努め、日中間のビジネス促進や、日系企業の中国環境法規対応、情報ネットワークの確保、などへの有効活用を進めたいと考えています。