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スマートグリッド

今日味新深(No.18:2010/10/1)

 スマートグリッドのスマートは「賢い」、グリッドは「電力網」を指し、ITを駆使して電力の需給を制御できるインテリジェントな次世代の電力網のことで、停電を少なく、経済的な運用を行うことを目指しています。これは2008年の米国大統領選挙でオバマ候補が政策に取り上げ有名になりました。現在、グリーン・ニューディール政策の中で推進されています。

 スマートグリッド導入の狙いは各国の置かれている現状により異なっています。
米国では老朽化した送電網の抜本的な更新による停電対策、通信機能付きの電力量計(スマートメータ)の導入による電力使用量の「見える化」、さらにはピーク時の需要抑制のための電力サービス事業者による電力使用の管理が考えられています。

欧州では、すでに大規模な風力発電等の導入が進んでおり、その予測できない出力変動と電力需要とを整合させるべく、小型ガスタービン発電機、電力貯蔵設備、燃料電池などと組み合わせて電力網を安定化させるプロジェクトが推進されています。

日本でも、電力固定価格買取制度の拡充により太陽光発電が住宅や事業所等に大量に導入されることが予想されており、これらの変動の大きい分散電源がスマートグリッドにより電力網に悪影響なく受け入れられるようにすることが重要と考えられています。

スマートグリッドは電力需給を単に効率化するだけではなく、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを大量導入し、さらに蓄電池機能として電気自動車や燃料電池などのCO2削減に貢献する製品をこのネットワークに組込み、化石燃料依存の最小化を図り、低炭素社会の実現にも寄与するもので、新しいエネルギー関連ビジネスを創出する可能性を持っています。

スマートグリッド関連のビジネスとしては、スマートメータのように既に開発が進んでいるものもありますが、新しい分散電源向けの材料や機器、蓄電池、そして電力網安定化のためのシステム、さらにはこれらを活用した各家庭に対する省エネルギー関連のサービスやハードウェアの提供が考えられます。

またスマートグリッド技術を導入し、再生可能エネルギーなどの分散電源、電気自動車の充電システムが整備された交通インフラ、省エネルギーで高効率な空調装置を用いたビルや住宅などで構成された、高度で自律化された次世代都市システム「スマートシティ構想」も出てきています。

当社でもこれまで、スマートグリッドに関連する製品の技術・市場動向調査として、太陽光・太陽熱発電、風力発電等の再生可能エネルギー利用技術、Liイオン二次電池やNaS電池等のエネルギー蓄積技術、系統電力安定化技術、直流電力供給技術に関する調査の実績があります。

スマートグリッドに関連する技術は、インターネットや携帯電話の場合と同じように、国際規格化されて世界中に波及していくと考えられるため、今後も継続的に関連分野の動向調査等を推進してゆきたいと思います。

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